今回の記事はFX・仮想通貨に置き換えた『ダウ理論』の原理原則を簡単解説します。
『ダウ理論』はチャールズ・ダウによって100年以上も前に提唱された理論です。
100年以上前に提唱された『ダウ理論』が今もなお、現在の強力なテクニカル分析の礎となっています。
そのため、多くのFX・仮想通貨トレーダーは『ダウ理論』から学ぶことが殆ど。
そして、“勝てる”トレーダーの多くは『ダウ理論』を自然と意識しています。
『ダウ理論』はそれほどまでにシンプルかつ強力なテクニカル分析手法なのです。
今回は原初の鉄板測である『ダウ理論』の原理原則を解説していきます。
FX・仮想通貨における『ダウ理論』
『ダウ理論』は元々、株の世界で使用されることを前提とした“6つのルール”です。
そのため、FX・仮想通貨においては“6つのルール”の中でも適用可能・適用しにくいものが存在します。
ここでは併せて解説していきます。
『ダウ理論』の“6つ”の原則
『ダウ理論』は“6つ”の原則から成ります。
6つのルール
- 価格(平均株価)はすべての事象を織り込む
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
特に、“6つのルール”の後半“3つ”を理解することが非常に大切かと思います。
①価格(平均株価)は全ての事象を織り込む
簡単に言えば、皆さんが一喜一憂するファンダメンタルズは個人が知る頃には価格に必ず反映されているということ。
個人より機関投資家が得る情報速度の方が圧倒的に早いです。
そして、個人より機関投資家の方が圧倒的に動かす資金が膨大です。
この当たり前の2点から個人がファンダのみで一喜一憂する必要がないのは分かりますよね。
“価格は全てを表している”
だからこそ、テクニカル分析で“勝てる”トレーダーが生まれるのです。
ポイント
揺るがすファンダによる暴騰・暴落の前には必ずチャート上には転換のサインが発生しています。
②平均は相互に確認されなければならない
2番目のルールは本来、業種の相関に関する話です。
A業種が伸びれば、B業種も追随して伸び、逆にC業種は下がる、のように。
FXの世界であれば、通貨ペアには相関があるので、同様に参考とするとよいでしょう。
ただし、仮想通貨は基本的にBTCかETHに連なることが多く、あまり意味を成しません。
③トレンドは出来高でも確認されなければならない
3番目のルールも、基本的には株式相場特有のルールとなります。
FXの世界では、全体の出来高を確認する術はなく、あまり適用できないルールとなります。
仮想通貨の世界では、使用取引所に偏りがあるため、取引所の出来高を確認することで適用できます。
仮想通貨の出来高はトップトレーダーでも気にされている方が多い印象ですね。
FX・仮想通貨を“勝つため”に必須級の『ダウ理論』
続いて、『ダウ理論』の後半部、残りの“3つ”のルールを確認していきましょう。
FX・仮想通貨に共通して強力なテクニカル分析となるので、確実に理解していきましょう。
④トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
初心者が案外忘れがちなのが、“トレンドは継続する”ということ。
短い時間足で見すぎて、日足レベルの上昇トレンドの調整で「暴落だぁ!下降トレンドだ!」と。
基本的に、トレンドは転換シグナルが発生してから転換することが多いです。
有名なのは、ダブルボトムや逆三尊と言われるトリプルボトム、ダブルトップや三尊ですよね。
上昇トレンドの場合は安値の切り上げ、下降トレンドの場合は高値の切り下げに注目するのがダウ理論です。
安値を切り上げ、高値を更新している間は上昇トレンド。
高値を切り下げ、安値を更新している間は下降トレンド。
この大原則を忘れず、トレンドを見極め、転換シグナルを確認すれば大チャンス!です。
⑤トレンドには3種類ある
『ダウ理論』では主要トレンド、二次トレンド、小トレンドの3種類のトレンドを定義しています。
ポイント
主要トレンド:1年~数年のサイクル
二次トレンド:3週間~3か月のサイクル
小トレンド:3週間未満のサイクル
これらは独立して見るのではなく、大きなトレンドは小さなトレンドを内包していると意識して見ます。
上位時間軸の大きな上昇トレンドの調整局面の箇所に注目してください。
上位では上昇トレンドにもかかわらず、下位時間軸では下降トレンドの最中。
このように、トレンドは主要、二次、小の時間軸に分け、全ては大きなトレンドに内包されています。
初心者は揺れ動く相場が好きなので、小さな時間軸でみがちです。
その結果、上位時間軸のトレンドの“逆張り”となり、大損を抱えるのが良くあるミス。
上位の時間軸が“支配的”ということを理解しましょう。
⑥主要トレンドは3段階から成る
先ほど述べた、上位時間軸トレンドの“主要トレンド”は3段階あります。
それは、『先行期』・『追随期』・『利食期』です。
主要トレンドの3段階
先行期:機関投資家が狙う相場に方向感のない段階
追随期:高値と安値の更新がはっきりし、トレンドが発生した段階
利食期:先行期でエントリーした投資家が利食し、トレンドが崩壊する段階
先行期でのエントリーの見極めは熟練のトレーダーでなければ非常に難しいです。
経験なしに先行期でエントリーを狙い、最大幅の利益を得ようとすると、トレンドの逆張りの可能性があるからです。
初心者が狙うのは追随期、トレンドの発生を見て、発生初期でしっかりとエントリーすること。
しかしながら、初心者は見極めに時間を掛けすぎて、トレンド終盤の利食期でエントリーしてしまうミスが多いです。
つまり、トレンドに順張りとは言えども、終盤にエントリーするのは非常に危険。
機関投資家が利食いを一斉に仕掛ければ、それは逆方向へのトレンドの始まりなのですから。
まとめ
『ダウ理論』には“6つのルール”
6つのルール
- 価格(平均株価)はすべての事象を織り込む
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
後半“3つ”のルールを理解して、“勝てる”トレーダーへ駆け上がろう。